睡眠時無呼吸症候群とは

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睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が何度も止まる、または浅くなる病気です。無呼吸もしくは低呼吸が1時間あたり5回以上起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断します。

睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などを引き起こします。日中の眠気は居眠り運転や労災の原因にもなります。また、睡眠時無呼吸症候群では高血圧症、脳卒中、心筋梗塞のリスクが約3-4倍高くなることが知られています。一方で、CPAP治療を行うことで健常人と同等にまで死亡率を低下させることができます。

肥満のある方、いびきをかく方、日中に眠気を感じる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いため、まずは簡易検査を受けることをお勧めします。

こんな症状がある方はお早めにご受診ください

睡眠時無呼吸症候群の症状は、ご自身では気づきにくいものですが、以下のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、当院をご受診ください。

  • いびきが大きい、または途切れることがある
    家族やパートナーから「寝ている間に呼吸が止まっている」と指摘されたことがある人は注意が必要です。
  • 日中に強い眠気がある
    夜にしっかり眠ったはずなのに、仕事中や運転中に眠くなる、集中力が続かないという場合、睡眠時無呼吸症候群によって睡眠が妨げられている可能性があります。
  • 朝起きたときに頭痛やだるさがある
    夜間に酸素不足が続くことで、目覚めたときに頭が重い、だるい、スッキリしないと感じることがあります。
  • 夜間に何度も目が覚める、トイレに行く回数が多い
    無呼吸が起こると、脳が覚醒してしまい、夜中に何度も目が覚めたり、トイレが近くなったりすることがあります。
  • 糖尿病がある、薬を飲んでも血圧が下がらない
    睡眠時無呼吸症候群の患者さんは糖尿病や高血圧症になりやすく、治療をしても血圧が下がりにくいことが特徴です。当院では高血圧症の初診の方に簡易検査をおすすめしています。

睡眠時無呼吸症候群の検査

当院では睡眠評価装置パルスリープの貸し出しを行っております。ご自宅で機器を装着して就寝、翌日以降に返却してもらいます。機器の空き状況をお調べしますので、お電話でご予約ください。簡易検査ではありますが、いつもの睡眠の状況が把握でき、無呼吸が評価できます。1時間当たりの無呼吸、低呼吸の回数が40以上の場合、この検査のみで治療に進むことができます。1時間当たりの無呼吸、低呼吸の回数が20以上40未満の場合は、1泊2日の入院で睡眠ポリグラフ検査を行うことをお勧めします。入院検査は当院で対応していないため、実施している近隣の医療機関をご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療は、患者さんの状態や重症度に応じて選択されます。院長は大学病院の睡眠外来を担当したことがあり症例数も豊富です。

CPAP(シーパップ)療法

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の標準的治療です。寝るときに鼻のみのマスクを装着し、持続的に空気を送り込むことで狭くなっている気道を広げ、無呼吸を改善することができます。CPAPを使用することで日中の眠気や血圧の改善が期待でき、心疾患などのリスクを低減します。
簡易検査、睡眠ポリグラフ検査の結果をもとに当院で開始することもできますし、他院で治療中の方が転院することもできます。

マウスピース療法

軽症から中等症の患者さんに有効な方法で、下あごを前に出すマウスピースを装着し、気道の閉塞を防ぐものです。CPAPが適用されなかったり、あるいは持続してマスクを装着することが難しかったりする患者さんに有効です。近隣でマウスピースを作成している歯科を紹介します。

生活習慣の改善

睡眠時無呼吸症候群の治療にあたっては、上記のような治療に加え、生活習慣の改善も重要になります。肥満がある人では、減量することが重要になります。アルコールは筋肉が緩み、気道が塞がりやすくなるため、深酒は控えましょう。