• 2026年7月31日

夏型過敏性肺炎

梅雨から夏になるこの時期、増える肺の病気があります。「夏型過敏性肺炎」です。

先日当院でもこちらの診断となった患者さんがいました。仕事で特定の場所に行くと夜に発熱、空咳があり、数日でよくなるという症状でした。胸部レントゲンでは肺全体にうっすらした影がありました。以下の胸部CTは一般的な画像所見を示したものです。

過敏性肺炎とは、空気中に漂うカビや動物由来のタンパク質などの微粒子を繰り返し吸い込むことで、肺胞にアレルギー性の炎症が起こる病気です。カビが肺の中で増殖するわけではなく、吸い込んだ物質に対して免疫が過剰に反応することが原因です。

過敏性肺炎には、夏型過敏性肺炎、住居関連過敏性肺炎、慢性鳥関連過敏性肺炎など、原因によっていくつかの種類があります。

このうち夏型過敏性肺炎は、トリコスポロンというカビを繰り返し吸い込むことで発症し、湿度が高くなる梅雨から夏にかけて多くみられます。

この病気の特徴は、原因となる環境(自宅や職場など)から離れるだけで、症状や画像所見、血液検査が改善することです。これを「抗原回避」といいます。一方で、改善後に再び原因となる場所へ戻ると症状が再燃することがあり、「帰宅誘発」と呼ばれます。

大学病院勤務時代には、患者さんのご自宅を実際に訪問し、環境を調査して改善策をご提案していました。原因として多かったのは、お風呂や台所などの水回り、窓枠やサッシ、エアコンなどに発生したカビでした。

特にエアコンは、内部に生じる結露がカビの温床になります。最近の機種には、運転終了後に内部を乾燥させる機能が搭載されているものが多いため、ぜひ活用してください。また、シーズンごとのフィルター清掃や内部の汚れの確認も大切です。

毎年同じ時期に咳や微熱を繰り返す方、特定の職場や自宅でのみ症状が出る方は、夏型過敏性肺炎の可能性があります。

気になる症状がありましたら、お気軽に当院へご相談ください。

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