- 2026年8月30日
気管支拡張症
咳や痰が何週間も続く場合、気管支喘息の他に考えなくてはならない病気に「気管支拡張症」があります。
口から入った空気は喉を通り、太い気管から左右の気管支に分かれ、そこからさらに22回枝分かれして終点である肺胞に至ります。本来ならば段々と細くなっていく構造のはずが、太いまま奥まで拡がった状態を気管支拡張症と言います。

症状がなく健康診断のレントゲンで見つかることもあれば、長引く咳や痰、血痰で見つかることもあります。
原因があるものとしては、先天性、関節リウマチの肺病変、結核の後遺症、気管支喘息などが挙げられます。一方で原因がはっきりしない場合もあります。
気管支には繊毛とよばれる細かい毛のようなものが生えており、入ってきた異物を押し出す働きを持っています。拡張してしまった気管支ではこの働きが失われてしまい、細菌が入ったまま住み着いてしまったり、喀痰が押し出せずにとどまったりします。そのことで炎症が起きて、さらに気管支拡張が進行するという負のスパイラルに陥ってしまいます。
胸部レントゲンや症状から気管支拡張症を疑った場合、胸部CTを行います。胸部CTで気管支拡張像があれば診断は確定です。拡がり方や細菌感染を疑う所見がないかどうかも確認できます。
気管支拡張症では細菌が住み着いているかどうかが重要となります。喀痰が外に出せる方であれば喀痰の検査、血液検査で抗MAC抗体という肺非結核性抗酸菌症の感染の有無を調べることもあります。
無症状の方では3-6ヶ月に1回受診してもらい、症状の有無、胸部レントゲンを確認します。咳、痰の症状のある方では、去痰薬やマクロライド系と呼ばれる抗菌薬で治療します。気管支拡張の部分では毛細血管が発達して出血しやすくなっており、血痰の原因となる疾患でもあります。出血が続く場合は、カテーテル治療で出血源となっている血管を詰めることもあります。
喘息と言われて治療しても咳や痰が良くならない方、肺炎を何回も起こしている方は気管支拡張症が隠れている可能性があります。胸部レントゲンだけではわかりにくいこともあり、胸部CTで初めてわかることが多いです。
関連した病気である肺非結核性抗酸菌症や副鼻腔気管支症候群については次回以降お話しします。