• 2025年7月3日

イネ科のアレルギー

スギやヒノキの花粉が終わって楽になったと思ったら、6月から7月にかけて鼻がムズムズ、くしゃみが出たことはありませんか。

初夏からはじまるのがイネ科の花粉症です。6月はイネを植えたばかりでまだ花も咲いていないのにと思われるかもしれません。お米のイネが原因になることは少なく、外来種のハルガヤやオオアワガエリ、カモガヤなどが原因となります。空き地や河原に生えている背の高い雑草です。こちらの写真は近所の空き地で撮影しました。

スギやヒノキが気流に乗って広範囲に飛散するのに比べて、イネ科の花粉は数10m程度しか飛散しないと言われています。雑草の生い茂っている場所に近づかないことが対策になりますが、家の近くに空き地があると避けられません。クリニックの前の歩道にもハルガヤが生い茂っていたため、あわてて刈りました。

血液でアレルゲン検査(アレルゲン特異的IgE)を調べることができます。個別に調べる項目としてはカモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤ、ギョウギシバ、オオスズメノテッポウ、セイバンモロコシ、ホソムギ、ナガハグサ、ヒロハウシノケグサ、アシ、コムギ(属)、スズメノヒエ(属)、コヌカグサ(属)がありますが、イネ科としておおざっぱに調べることもできます。

治療法はスギ、ヒノキの花粉症と大きくは変わらず、抗ヒスタミン薬の内服が基本となります。あとは症状により、点眼薬、点鼻薬を組み合わせます。

イネ科の花粉症の人が特定の野菜、果物を食べると、口の中がイガイガしたり、腫れたりする口腔アレルギー症候群があります。こちらに関してはまた今度記事にしたいと思います。

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