- 2026年4月6日
口腔アレルギー症候群
しばらく花冷えで雨が続き花粉の飛散も落ち着いていましたが、この週末から暖かくなってきて再びスギ、ヒノキの花粉が飛散しております。
院長もスギ、ヒノキの花粉症+喘息でゾレア、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、点鼻薬、吸入薬使用していますが、朝夕の犬の散歩で曝露が避けられないため苦戦しております。今年からスギ花粉の舌下免疫療法シダキュアを始めてみたいと思っています。
さて、今回は口腔アレルギー症候群についてお話したいと思います。花粉症をもっていると特定の果物、野菜などを食べた際に口の中、のどに刺激感やかゆみが起こる場合があります。アナフィラキシーと呼ばれる全身症状は起こしにくいですが、シラカンバ・ハンノキの花粉症と豆乳の組み合わせでは全身症状を起こしやすいです。
口腔アレルギー症候群の歴史は古く、40年前に提唱されました。花粉との交差反応性(花粉に似た構造のタンパク質を含むため)により特定の果物、野菜を食べた際に生じるアレルギー反応をpollen-food allergy syndrome(PFAS)と呼ぶようになりました。下記の花粉と食材の組み合わせが報告されています。特に花粉の飛散時期に症状が出やすいと言われています。
スギ・ヒノキ: トマト
カバノキ科(シラカンバ・ハンノキ):リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、アンズ、キウイ、プラム、アーモンド、ヘーゼルナッツ、セロリ、ニンジン、豆乳
イネ科(カモガヤ・オオアワガエリ):メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、キウイ、オレンジ、ピーナッツ
ヨモギ:セロリ、ニンジン、マンゴー
ブタクサ:メロン、スイカ、キュウリ、バナナ
上記の食べ物で口やのどの症状が現れた場合は口腔アレルギー症候群が疑われます。まずは血液検査を実施してその食べ物自体に反応するタンパク質があるかどうか、交差反応を示す花粉のたんぱく質があるかを調べます。口腔アレルギー症候群と診断された場合、原因となる食べ物は加熱すると症状が出にくいです。また、花粉が飛散している時期を外せば症状が出にくい場合があります。
最後に食物アレルギーでの診療を希望される方へのお願いです。
・症状が起きた時の状況を記録しておいてください。外食であればお店とメニュー名。既製品であれば商品の成分表。給食であればメニュー表。
・定期通院していない場合は学校生活管理指導表は作成できません。転医を希望される場合は必ず紹介状が必要です。
・プリックテスト、経口負荷試験は当院では実施していません。小児は近隣医療機関を紹介可能ですが、成人は都内の大学病院や相模原病院への紹介となります。
・院長が処方に必要な資格を持っているためエピペン、ネフィの処方が可能です。こちらは定期通院されていなくても有効期限が迫っているなどの状況であれば処方します。調剤薬局に在庫がない場合がもあるため、電話で予約ください。
参考文献:食物アレルギーの診療の手引き2023、食物アレルギー診療ガイドライン2021