• 2026年1月10日

花粉症の初期療法

春の花粉症の代表的な抗原はスギ花粉とヒノキ花粉です。

スギ花粉やヒノキ花粉が目や鼻の粘膜から体に侵入してくると、特異的なIgE(血液中に流れているアレルギーの原因となるタンパク質)が捉えます。マスト細胞と呼ばれる免疫の細胞と結合すると、ヒスタミンと呼ばれる物質が放出されて、目のかゆみ、鼻水、くしゃみを引き起こします。

花粉症の治療の基本はこのヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬の内服になります。

1日1回のタイプ、1日2回のタイプ。食事に関係なく内服できるできない。眠気は強いが効果が強いもの。眠気が出にくいもの。妊娠中、授乳中でも比較的安全なもの。いろいろと種類があるため、患者さんとお話ししながら合った薬を選んでいきます。

鼻づまりがある場合は、点鼻ステロイド薬、ロイコトリエン拮抗薬を選択します。

検査の必要性や費用負担の問題はありますが、IgEに対する抗体薬オマリズマブという選択肢もあります。

花粉の飛散開始時期、飛散量は以下のサイトに詳しく掲載されています。年によって前後しますがスギ花粉は2月上旬から4月下旬、ヒノキ花粉は3月中旬から5月中旬に飛散します。

https://tenki.jp/pollen/expectation

ここからが本題ですが、花粉症は飛散開始の1-2週間前、1月下旬頃から治療薬を使用すると飛散のピーク時の症状が軽減することが知られています。ガイドラインにも記載されており初期療法と呼ばれています。

花粉が大量に飛散するようになり、症状が強く出ている状態では、鼻の粘膜は焼け野原になってしまっており、治療薬を使用しても効果が出にくかったり、出るまでに時間がかかってしまうからです。また、インバースアゴニスト作用と言って抗ヒスタミン薬を先回りして服用することで、ヒスタミンがくっついても作用が出にくい不活性型の受容体が増えて、アレルギー反応が起こりにくい状態になると言われています。

参考文献:鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版 第10版, 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会, 金原出版

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